抄録
薬用樹,街路樹として植栽されてきた中国原産のキササゲ(Catalpa ovata G. Don)は河原への逸出が確認されている。本研究は,河川での分布拡大の予測を目的とし,多摩川における分布調査と採種時期の異なる種子を用いた光条件と温度条件に関する発芽実験を行った。その結果,河口から60.2~22.8 kmで分布を確認した。特に,河口から60.2~43.7 kmの間に分布が集中していた。発芽適温は30~35 °C であり変温区で発芽が促進された。また,採種時期の異なる褐色〓果種子と緑色〓果種子の発芽率の間に大きな差はみられなかった。出水発生時の種子である緑色〓果種子に発芽能力がみられたことから,出水による分布拡大の可能性が示唆された。