日本緑化工学会誌
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技術報告
種子なし生育基盤と種子定着促進ネットを組み合わせた新しい自然侵入促進工法
吉田 寛氏家 豊和
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2008 年 34 巻 4 号 p. 649-653

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抄録

地域性系統による植物群落の形成を緑化目標とする種子なし厚層基材吹付工に関するこれまでの施工実績から得られた知見等をもとに,種子なし生育基盤の造成と,施工後初期段階における種子捕捉効率と侵食防止効果を高める立体型のネットを組み合わせた新しい自然侵入促進工 (工法名:レミフォレスト工法) を開発した。基礎的な試験を行なった結果,1) 立体型の種子定着促進ネット(商品名:シードキャッチャー) の併用により種子捕捉効果が向上すること,2) アルカリ障害が発生しないセメント系侵食防止材 (商品名:レミコントロール) の使用により耐侵食性と耐久性を有する種子なし生育基盤が造成できることが確かめられた。レミフォレスト工法は,吹付工法とマット工法のタイプの自然侵入促進工がそれぞれ有していた問題を解消し,法面の安定を損なうことなく自然回復速度を速める効果が期待される。

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