抄録
切土法面において,市販種子を配合しないで森林表土を利用した客土注入マット工(植生基材注入工)と市販の草本種子を配合した有機質系植生基材吹付工の2工法による比較実験区を設け,施工後18ヶ月間のモニタリングを実施した。植被率は,6ヶ月後までは後者のほうが高いが,18ヶ月後では同等となった。また,施工18ヶ月後の出現種数は,前者は39種で後者は6種と大きな違いが見られた。森林表土を利用した客土注入マット工は,生育基盤材が袋状マットに内包されており,初期生育が遅くても侵食の危険性がほとんどないことから,生物多様性の高い自然回復緑化技術として有効であることが示唆された。