本報告は,(社)広島県法面協会が実施している法面緑化工事の植生追跡調査に関するものである。この植生追跡調査の目的は,近年の法面緑化工の動向を考慮し,かつ広島県地域にあった法面緑化技術基準を検討することである。筆者は,この植生追跡調査の計画,調査および取りまとめを担当している。植生追跡調査は,2008年から3年間の計画で,現在2年目の調査が完了した。調査結果から,広島県内の法面緑化事例では,ほとんどの法面は植物で覆われ良好な生育状況であった。しかし,木本群落を目指しながらも草本群落でとどまっているなどいくつかの課題が見られた。この植生追跡調査は,2010年度も実施する予定であるが,2009年度までの調査結果を報告する。