日本緑化工学会誌
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特集
人の健康と緑のデザイン
緑地環境のユニバーサルデザイン
美濃 伸之
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2010 年 36 巻 2 号 p. 258-263

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抄録

本稿では,緑地環境のユニバーサルデザインについて議論した。ここではリハビリテーション等における障害理解の変遷や国内外のユニバーサルデザインを導く法制度の特徴を概観しながら,緑地環境のユニバーサルデザインをどのように考えていけばよいのかを考察した。その結果,少子高齢化が進むに伴い,環境が果たす役割の重要性は増しているものの,国内での考え方が移動円滑化にかかる施設整備に偏重し,これらを緑環境にそのまま適用することには一定の限界があると考えられた。海外等ではプログラムを中心とした考え方でユニバーサル化が進められているため,国内での取り組みにおいても参考にする必要がある。また,国内で取り組まれているいくつかの事例を紹介しながら,今後に必要となるスパイラルアップ(継続的改善)や障害当事者参画,専門家の役割などについても議論した。

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