抄録
奈良県吉野山は桜の名所であるが,五郎平茶屋地区等のサクラ類は近年衰退傾向にあるとの報告がある。しかし,現在のところその衰退原因は特定されていない。サクラ類の衰退原因を検討する必要から,本研究では,五郎平茶屋地区において土壌化学性を調査した。その結果,調査地の土壌は,窒素飽和状態に陥っている可能性があり,今後の検討が必要であることが示唆された。また土壌環境評価モデルを用いて,調査地の土壌環境について予測を行った。その結果,窒素飽和状態や酸性雨の影響を仮定した場合,塩基飽和度が大幅に低下し,今後土壌化学性が悪化する可能性が示唆された。