抄録
本研究では,度重なる山火事がどのようにコバノミツバツツジとヤマツツジからなる野生ツツジの環境を改変し,開花群落の形成に影響を与えるのかを,景観生態学的指数を用いて明らかにすることを目的とした。山火事の発生回数と最後の山火事からの経過年数を組み合わせて山火事の履歴を分類した。発生回数によって,開花景観の経年変化は異なることがわかった。1 回の場合は,山火事から年月が経過しても野生ツツジ類二種以外の低木層の植被率が低く抑制されたため,野生ツツジ類二種の被覆度が増加,形状が円に近い緩やかな形へと単純化した。2 回の場合は,山火事から年月が経過するとともに野生ツツジ類二種以外の低木層の植被率が大きくなったため野生ツツジ類二種が被圧され,年月を経ても被覆度は小さく形状は複雑なままだった。平均パッチサイズは山火事の履歴による差が明確でなかった。