抄録
近年, 車載レーザーセンサーが利用可能となってきたが, 車載レーザーを用いた研究はあまり行われていない。本研究は高速道路法面を対象地として, 車載レーザーデータから樹木地への反射特性を把握するためにシミュレーション開発を行った。これまでの研究では, バイオマス量等をレーザーデータから推定する場合, 高さ別レーザー反射割合を求めて, パーセンタイルでの高さを説明変数とし, モデル化を行ってきた。そのパーセンタイルでの高さが照射視野によってどのように変化するかはわかっていない。そこで本研究では, 異なる照射視野からの照射シミュレーションを行い, 照射視野の違いによるパーセンタイルの高さを比較した。現地で測定したデータを基にコンピュータ上で同じ樹冠形状を再現し, 3 つのセンサー視野(上空からの照射, 側面照射, 固定点照射)から照射シミュレーションを行った。シミュレーションではレイ・トレーシング アルゴリズムを用い, 各照射視野からコンピュータ上で再現した樹木にバーチャルでレーザー照射を行い, レーザーが当たった樹冠上の場所を記録した。シミュレーション結果を検証するため 10 m×10 m のプロットを対象にシミュレーション結果と実測した車載レーザーデータとを比較した。側面照射によるシミュレーション結果が実測のデータと相関関係が高かったため, シミュレーションが有効であることがわかった。今後様々な傾斜角度の法面でデータを取得し, バイオマス計測を推定するための照射視野と傾斜角度の関係も明らかにしたい。