日本緑化工学会誌
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論文
成立植生から評価した尾根部の切土法面における播種工の成果
細木 大輔中村 勝衛亀山 章
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2011 年 37 巻 2 号 p. 294-304

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抄録
乾燥しやすい尾根部の岩盤切土法面に播種工を施工し,成立した植物群落をもとに緑化目標達成の観点から各工法の成果について比較した。工種は,植生基材吹付工,植生マット工,植生基材注入工を採用した。短期的な目標はいずれも先駆性樹種が優占する群落とし,長期的な緑化目標として,周辺植生からの侵入種で構成される低木群落と,播種導入する堅果類が優占する低木群落の2 つを設定して,それぞれに合わせて種子配合した。成立した植物群落について施工後8 年間にわたり継続的に調査した結果,堅果類を配合した植生マット工と植生基材注入工では,8 年目に堅果類が優占する低木群落が成立したことが確認できた。これら2 つの施工当年の被覆率は17.0% 以下と低かったが,これらは繊維で法面を覆う工法であり,工法の素材自体に侵食防止効果が備わっていたため施工直後に侵食が問題となることはなく,長期的には緑化目標に合致する良好な法面植生が成立した。これら2 つの工法を比較した際には,被覆率の増加速度と,播種導入した堅果類の個体数の多さ,および成長の良さから,植生基材注入工の方が優れていたと判断された。
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