日本緑化工学会誌
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論文
造成地の未熟土を土壌改良した植栽基盤における16 樹種の苗木の初期成長と適応性
高砂 裕之高山 晴夫
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2011 年 37 巻 2 号 p. 305-317

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抄録
造成工事に伴って発生した森林土壌のB 層,C 層を起源とする未熟土を用い,植え穴部分にのみバーク堆肥と肥料による土壌改良を施した植栽基盤において,森林植生の構成樹種16 種類(アカマツ,ヤマモモ,コナラ,クヌギ,ウバメガシ,アラカシ,ツブラジイ,ケヤキ,エノキ,クスノキ,タブノキ,シロダモ,ヤマザクラ,ヒサカキ,ネムノキ,ネズミモチ)のポット苗による2 年半の植栽試験を行い,各樹種の生残率と成長から未熟土を土壌改良した植栽基盤に対する適応性を評価した。試験期間中の苗木の生残率とD2H の相対成長率(D2H-RGR)を指標とすると,アカマツ,コナラ,クヌギ,ウバメガシ,ネムノキは生残率が80%以上,D2H-RGR が1.0 以上と共に高かった。ヤマモモ,アラカシ,ツブラジイは生残率が57~73% とやや低かったが,D2H-RGR は1.0 以上であった。一方,ケヤキ,エノキ,クスノキ,ネズミモチは,生残率は80% 以上と高かったが,D2H-RGR は0.9 未満であった。タブノキ,ヤマザクラ,ヒサカキは生残率が50%未満,D2H-RGR が0.7 未満と低く,シロダモは全試験個体が枯損した。多くの樹種で植栽時の苗木のサイズが小さい方が大きな苗よりも成長率が高く,ヤマモモ,クヌギ,ウバメガシでその傾向が顕著であった。また,深根型の根系を持つ樹種は浅根型の根系と比較して未熟土を用いた植栽基盤での成長が良い傾向が認められた。
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