2012 年 38 巻 1 号 p. 212-215
絶滅危惧種のキンラン (Cephalanthera falcata (Thunb.) Blume) は里山の雑木林などに良くみられる植物であるが,混合栄養性種であるため,開発等で自生地が改変される場合には,保全が困難な種であり,参考となる保全事例も非常に少ない。本事例ではボイド管という素材を用いて周辺土壌ごとの移植を実施した。移植 3 年後,4 年後の出芽率は 95 % 以上で推移している。一方,移植時の株サイズや切断根の本数が移植後の生育状況に影響を与える可能性が考えられた。