日本緑化工学会誌
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技術報告
河川域における薬剤を用いたハリエンジュ (Robinia pseudoacacia L.) 防除の可能性
田崎 冬記
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2013 年 39 巻 1 号 p. 121-124

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抄録

北海道内の河川においてもハリエンジュ繁茂が各種の問題を引き起こしている。また,道内の河川では,近年,ヤナギ繁茂が著しく,ハリエンジュと同様に適切な管理が求められている。そこで,本調査では,これらの河畔林において冬季に伐株断面への薬剤塗布等を行い,薬剤塗布による河畔林管理の可能性について検討した。その結果,ハリエンジュは伐採のみでは枯死せず, 伐採後8 ヶ月程度で元の樹高の7 割に達する萌芽を複数伸長させた。他方,薬剤塗布ではハリエンジュは7 割が枯死し,生存個体も矮小化した。また,ヤナギでは薬剤塗布により全て枯死した。伐株断面への薬剤塗布は,従来の噴霧型に比べ,水系への薬剤の流出の心配が少なく,有効な河畔林管理の一つとなると考えた。

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