日本緑化工学会誌
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論文
緑化施工後初期の法面における表面侵食の発生と周辺植生からの在来種の侵入・定着に影響を与える要因の解明
大津 千晶小林 慶子長池 卓男
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2014 年 40 巻 2 号 p. 365-371

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抄録
緑化施工後初期における法面の表面侵食の防止と周辺植生からの在来種 (以下,侵入種) の侵入・定着の促進が両立しやすい要因を明らかにするために,山梨県内で過去 5年以内に施工された緑化施工地を対象に,立地環境と施工条件がそれらに与える影響を調査した。表面侵食のみられた法面は全体の 37%と,少なくはなかった。植被率は概ね高かったが,侵入種の植被率は低かった。侵入種の植被率は,客土吹付工が施工された法面や,谷地形に位置する法面で高い傾向にあることから,これらの条件では比較的早期の侵入種の定着が潜在的に期待できる。一方,種子吹付工と比べて厚層基材吹付工や植生マット工は,表面侵食の防止効果は高いものの,侵入種の定着を阻んでしまいがちであることが明らかになった。したがって施工地の植生工を決定する際には,表面侵食の防止と侵入種の定着促進のどちらに重点を置くかを事前に検討する必要がある。施工後初期の法面において,表面侵食の防止と侵入種の定着促進を両立させる手段としては,植生工や種子配合の選択,獣害対策の実施による法面環境の整備が有効だと考えられた。
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