日本緑化工学会誌
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論文
武蔵丘陵森林公園におけるヤマユリ (Lilium auratum Lindley) の個体群動態に及ぼす林相と落葉かきの影響
永留 真雄根本 淳寺田 (佐立) 昌代梅木 清小林 達明
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2014 年 40 巻 2 号 p. 372-386

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抄録
二次林における林冠優占種および落葉かきの実施がヤマユリ個体群動態に及ぼす影響を明らかにすることを目的として,2006~2008年・2011年~2013年に都市公園内の尾根部の樹林地において,ヤマユリ幼令個体 (一枚葉) を対象として個体数および個体サイズと,植生および林床植生管理の関係を調べた。栽培試験および自生地の観察結果より,幼令個体は当年生実生サイズ,抽だい個体へ推移可能なサイズ,その中間のサイズの 3つのサイズクラスに分類された。推移行列を用いた解析の結果,幼令個体は自生条件下で抽だい個体への推移に平均 7~9年を経ていること,小サイズの抽だい個体に推移した後に生存率は当年生実生と同程度に低下すること,落葉広葉樹の優占度増加は幼令個体から抽だい個体への推移を低下させることが明らかになった。弾力性行列を分析した結果,ヤマユリは開花個体以外の成育ステージにも弾力性値を分散させており他の森林性多年生草本と異なる傾向を示すこと,落葉かきに伴う当年生実生の定着が個体群成長率 (λ) の増加に寄与していることが明らかになった。また,ヤマユリはリター層の厚さによって有性繁殖と無性繁殖への配分を変化させる可能性が示唆された。
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