北海道には泥炭が広く分布している。泥炭は高有機質,高含水であるため,そのままの状態では土木材料として使用できない。しかし,泥炭のこのような性質が植物の生育環境として有効であることから,一般的な土砂を対象とするのり面に対して,緑化基盤材としての適用を調査してきた。さらに適用範囲を拡大する目的で,高アルカリ性材料による盛土のり面に対する有効性を検証したところ,3ヶ月間の短期間では,十分効果があることを確認できた。そこで,その後,この方法の持続可能性を確認したところ,施工から2冬期の積雪,融雪に対しても泥炭は耐久性があり,播種した植物が高い植被率を維持できることがわかった。