日本緑化工学会誌
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技術報告
耐酸性菌根菌 (Rhizophagus clarus RF1) 資材を用いた酸性土壌法面の緑化工
堀江 直樹山梨 太郎江澤 辰広
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2016 年 42 巻 1 号 p. 156-159

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抄録

法面緑化工事では,施工対象地の土壌 pH (H2O) が4.0以下の場合,酸性対策を施す必要がある。岡山県備前市の鉱山跡地では,pH (H2O) 2.7~4.8 および pH (H2O) 2.2~3.2 の酸性硫酸塩土壌法面に対し,耐酸性菌根菌を用いた植生基材吹付工を実施した。生育初期の緑化植物においては,酸性障害の兆候は認められなかった。施工後4か月から3年を経過した法面においては,シカの食害は認められたものの,植被率は高く維持されていた。菌根菌の感染率は,施工後から3年目にかけて徐々に増加しており,この間に緑化植物の菌根菌への依存度が上昇したものと推察された。

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