日本緑化工学会誌
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論文
都心の夏季夜間における樹林地の冷却能力に与える風速と雲量の影響
外崎 公知菅原 広史
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2016 年 42 巻 2 号 p. 293-298

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抄録
本研究は,東京都港区内の小学校や公園内に設置された 27ヶ所の百葉箱から取得した気温データと気象庁のアメダスデータをもとに,都心の夏季夜間における温度降下量と樹林地の冷却能力に与える風況と雲量の影響について分析を行ったのである。東京都心における夏季夜間の卓越風は南西系統であり,雨天時を除く卓越風日 (風速が 2m/以上の場合) の午前 2時~4時における温度降下量と,風速と雲量との間にそれぞれ有意なマイナスの相関があった。温度降下量を目的変数に重回帰分析を行ったところ,風速 2m/s 以上 3m/s 未満の条件下において,樹林面積は温度降下量に対して有意なプラスとして寄与することが示唆された。また,観測地点を樹林面積の上位群と下位群に分けて分析したところ,風速 2m/s 以上 3m/s 未満の条件下,雲量 5以下の場合,両群の冷却能力に有意な差が認められた。
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