日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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Sink-limit状態に置かれたサツマイモ葉からのRuBPcase活性阻害物質の精製
*井堀 信行岩船 美都松本 泉蘇武 毅葛西 身延澤田 信一
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p. 629

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抄録
 Sink-limit状態でのサツマイモsource-sinkモデル植物の光合成低下はRuBPcaseに活性阻害物質が結合することに主に起因し、その物質は既知のRuBPcase活性阻害物質と同様に糖リン酸であると示唆された(岩船ら昨年度学会)。
 この活性阻害物質の構造決定と作用機構の研究にはこの物質の大量精製を行う必要がある。材料には温室で栽培したサツマイモの茎にガードリング処理を施し、その葉を用いた。この葉中の同化産物量は大きく増加し、光合成速度は低下し、RuBPcaseのtotal activityも低下したが、maximum activityは未処理の植物体とほぼ同じ高い値を示した。この結果から、ガードリング処理を施した植物体でもモデル植物と同様、sink-limit状態になることが明らかとなった。葉を過塩素酸ですりつぶした阻害物質を含む粗抽出液に活性化したRuBPcaseを加えて阻害物質を結合させた(Parry et al.1994)。その後、阻害物質の結合したRuBPcaseを回収し、変性させて阻害物質を分離した。この方法によってSink-limit状態で形成されるRuBPcase活性阻害物質の高純度精製が可能になった。
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© 2003 日本植物生理学会
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