抄録
多雪地域の針葉樹人工林への広葉樹の導入を目的として,点状間伐等により強度に林冠疎開した後のスギ人工林に落葉広葉樹 3種 (ホオノキ,ミズナラ,ミズキ) を植栽し,林内の光条件,更新阻害要因 (食害,雪圧害) の発生状況,および植栽後 4年間の植栽木の樹高成長経過を調査した。植栽木は採食や雪圧を受け続けたために,食害や雪圧害の被害率,および枯死率は時間の経過とともに増加した。被害を受けた後,ミズナラやホオノキは萌芽や主幹の交代により回復したが,ミズキでは多くの個体が枯死した。被害木の生死には樹種ごとの萌芽特性の違いが影響していると示唆された。樹高成長量は,健全木であっても既往研究の事例と比べて小さかった。林冠疎開から 5年後の相対光量子束密度 (rPPFD) は 10%以下で,林内の光条件は広葉樹の生育条件を継続的には満たしていないと推測された。広葉樹の植栽による針広混交林化には,光量を確保する上木管理とともに,更新阻害要因を回避する対策が必要である。