新潟県長岡市逆谷地内の山腹工施工地に,別々に植栽したケヤマハンノキとコナラの10 年間の成育状況を調査した。ケヤマハンノキの樹高成長は旺盛で,植栽7 年後に樹高10 m を超えたが,生残率は徐々に低下し,10年後には34% になった。しかし,ケヤマハンノキ植栽地には主に鳥によって散布された樹高 1 m 以上の木本植物が5,492 本/ha 発生していた。その中でも特に,ミズキの発生数が28.5% と多く樹高成長も良好であり,今後ケヤマハンノキが衰退し,ミズキが優占する森林に遷移すると予想された。このように,山腹工施工地におけるケヤマハンノキの植栽は,周辺の森林植生への誘導が期待できる可能性が示唆された。一方,10年後のコナラの生残率は42% で,樹高は4.8 m であった。また,植栽後9 年間下刈りが行われたため,顕著な木本植物の発生は認められなかった。