2019 年 45 巻 1 号 p. 204-207
塩生植物のハママツナ,ハマサジ,フクドの3 種の発芽特性を把握するために,光・温度・塩分が発芽に与える影響を検証した。フクドは,5℃~20℃の広い温度範囲で発芽率が高く,3.7%人工海水の1/2 の濃度でも発芽率が高かった。ハマサジは,12.5℃と20℃で発芽率が高く,3.7%人工海水の1/2 の濃度では発芽率が顕著に低下した。ハママツナは,全体に発芽率が低かったが,5℃の定温もしくは14 日間の低温湿潤処理を施した場合に,発芽率がやや高い傾向にあった。光の有無は,3 種ともに発芽率に有意差はなかった。以上の結果より,対象とした3 種は,播種に適した時期や土壌塩分は種によって異なり,ハママツナ<ハマサジ<フクドの順に適した播種条件が限定的と考えられた。