伝統行事「鞍馬の火祭」では、従来は松明に用いる柴を住民が近郊の里山で採取することで継承されてきた。しかし近年、柴の持続的な調達が課題となっている。本研究では、柴の持続的な調達に向けて過去の柴採取地の生態的特性を把握し、火祭用の柴を量的、質的にどれだけ確保できるかという里山のポテンシャルである「柴採取ポテンシャル」を評価した。過去18年の柴採取地のうち13カ所にて植生調査を行い、林床植生と将来木における柴適性種の出現状況より、柴採取ポテンシャルを評価した。その結果、ポテンシャルの高い調査地は、良質な柴の生育可能性が高い場所、柴の量の安定的供給を支える場所、その両方の性質を持つ場所であった。また、ポテンシャルの高い調査地では、アカマツの優占度が高い傾向がみられた。