2023 年 4 巻 1 号 p. 17-21
足のアーチ構造が破綻し土踏まずが消失したものを総称して扁平足 (flat foot) という. 一般的に小児期, 思春期および成人期に分けられ, 成人期扁平足 (Adult acquired flatfoot deformity : AAFD) の病因はさまざまである. 主な原因となる後脛骨筋腱機能不全 (Posterior Tibial Tendon Dysfunction : PTTD) は, 後脛骨筋腱が変性断裂し, ばね靭帯や足底の諸靭帯や関節包が伸張し, 次第に足のアーチ構造が破綻し扁平足をきたす疾患である. 術式も軟部組織手術と骨関節手術と多くの術式がある. そのため術式選択が統一されておらず, 扁平足に精通した足の外科医により年齢, 腱および周囲の軟部組織の損傷の程度, 関節の変形の有無, 生活習慣などを考慮した術式が選択される. 成人期扁平足の発端は「ばね靭帯の異常」であり, ばね靭帯の病態に応じた治療方法の選択が重要で, 術前の病態の把握にはMRIやtendoscopyが有用である. 前足部を矯正し靭帯断裂部が接するか否かを評価し, 術式を選択する. ばね靭帯に異常をきたす病態として, 外脛骨などにより直接ばね靭帯が断裂し変形が進んでいく一次性断裂と, 後脛骨筋腱損傷によりばね靭帯に負荷が生じ二次的にばね靭帯が断裂する二次性断裂, に大別される.