台風による都市緑化樹木の被害特性解明のため,2018年第21号台風が樹木に与えた影響を約22 haの都市緑地で調査した。台風前には3,122個体の樹木が生育し,台風によって幹折れが145個体,根返りが58個体,傾斜が23個体で発生した。外来種と栽培品種の根と幹の被害比率は,自生種に比べて有意に高く,外来・栽培品種は台風の被害を受けやすいことが明らかとなった。幹被害割合(幹被害数/被害総数)と既報の生材の曲げ強度との間に有意なロジスティック回帰式が得られた。曲げ強度の小さな樹種では幹の被害割合が高くなり,曲げ強度が強風時の幹被害を説明する重要なパラメータと考えられた。