開発地における土壌炭素蓄積量算定の基礎資料にすることを目的に,首都圏の開設後30年以上経過したゴルフ場11ヶ所において土壌炭素蓄積量を調査した。土壌深0-30 cmの土壌炭素蓄積量について,コース構成部位間でt検定を行った結果,フェアウェイ群とラフ群の間の平均値の間に有意な差はなかった(p≧.05)。土壌炭素蓄積量とゴルフ場開設時からの経過年数との関係を検討した結果,経過年数が長くなるほど土壌炭素蓄積量が大きくなり,そのバラツキが大きくなる傾向があった。その要因の一つにゴルフ場の造成方法の変化が示唆されたことから,この点を考慮し,既往研究に準拠した土壌深0-20 cmで土壌炭素蓄積速度を推計した結果,0.81~1.19 MgC/ha/年であった(p<.01)。これらの結果からゴルフ場の芝地は,海外の研究例と同様にCO2の吸収源として高いポテンシャルがあると考えられる。土壌炭素蓄積量に対する経過年数と堆肥施用の有無の関係を確認するため,経過年数を考慮した上で,堆肥施用の有無により土壌深0-30 cmの土壌炭素蓄積量が異なるかを分析したところ,土壌炭素蓄積量に有意な差があり(p<.01),堆肥施用が土壌炭素蓄積に効果があることが示唆された。