本研究は,表層崩壊後に残存した倒木や崩土を利用した緑化(レガシー活用緑化)地における,初期の植生回復プロセスの解明を目的とした。2018年に発生した胆振東部地震による表層崩壊斜面で調査を行い,目的変数にバイオマス変化量,説明変数に林床パッチ,土嚢の有無,残存林からの距離,土砂移動量,シカ出現頻度を使用し,SEM解析を行った。解析の結果,土砂移動による植生回復の阻害効果,林床パッチならびに土嚢設置による土砂流出の防止,のパスに有意性が認められた。この結果から,崩壊地初期のレガシー活用緑化において,シカ採食への対策より土砂移動対策が優先され,林床パッチを斜面に残すことが有効な手段だと示された。