2026 年 51 巻 3 号 p. 319-328
屋上緑化に期待される機能の内,雨水管理と夏季の冷却効果は,土壌層内下部を貯排水層として使うことで向上する可能性が知られているが,このような貯排水設計において,バイオ炭を用いた土壌改良の効果はほとんど検証されていない。そこで本研究は,異なる粒径(細粒:0.25 mm以下,粗粒:0.25~2.0 mm)のバイオ炭を混入した(0,50,100,200 t/ha)屋上緑化土壌と,深さ20 cmの土壌層内の下半分を貯排水層として活用するポットを使用し,28日間の屋内実験を実施した。そして夏季のヒートアイランド現象を再現するためのLED照射加熱と東京の豪雨を再現した給水を行い,保水と冷却に関連する測定を行った。その結果,細粒を200 t/ha混入したサンプルの保水容量(44.7%)及び有効水分量(35.5%)が最大となった。給水に対して保水された割合は粗粒の混入量200 t/haで低下する傾向があった。表面温度は,粗粒を100~200 t/ha混入することで6.5~12.6℃上昇したが,土中温度が有意に変化したサンプルは無かった。今後は植物を植えた実験を通し,実用化に向けた検証を進める必要がある。