本施工地は,岩盤斜面で急勾配かつ南向きという厳しい立地条件下に置かれた山腹崩壊地であり,斜面防災と景観に配慮し,常緑広葉樹と落葉広葉樹の混交林を緑化目標群落として,国内産在来木本植物を播種工で導入する長距離高揚程植生基材吹付工が施工された。施工7年4ヵ月後までの追跡調査の結果,主構成種の良好な生育が確認され,落葉広葉樹であるアカメガシワ,クサギが生育し,その林床にコマツナギ,ヌルデ,常緑広葉樹のネズミモチや自然侵入したカゴノキなどが生育する植物群落が形成されていた。また,本施工地の対岸と神戸市街地からの景観はいずれも周辺の森林環境と調和し,施工箇所の判別がつかない状態にまで植生回復が進んでいた。国内産在来木本植物を播種工で導入する手法は,景観保全上からも有効な方法といえる。