近年,法面緑化では生物多様性や地域生態系への配慮が求められているが,地域性種苗や国内産在来種を用いた事例報告は限られている。本技術報告では,施工地周辺で採取した現地採取種子と国内産在来種子を用い,植生基材吹付工法(工法名:斜面樹林化工法)を適用した事例について,既報に引き続き,施工7年5ヵ月後から16年4ヵ月後までの植生調査結果を集計した。その結果,施工初期には導入したアカメガシワなどの先駆樹種が優占しつつ,現地採取種子であるシラカシなどが成立し,16年4ヵ月後には遷移中後期種のネズミモチを主体とする群落への移行が確認され,緑化目標に設定した落葉広葉樹と常緑広葉樹の混交林が形成されていた。