北海道胆振東部地震の斜面崩壊地で,生態学的遺産(レガシー)を用いた緑化試験地の一部を対象に,施工5年目の哺乳類の利用頻度を調査した。斜面崩壊後,手を加えていないコントロール区,鹿柵のみ設置した処理区,鹿柵と木柵を設置した処理区の3タイプ間で比較した。鹿柵として電気柵を使用し,木柵は震災で発生した倒木を現地で加工して使用した。確認された哺乳類種は,エゾシカ,アライグマ,タヌキ,ネズミ類であった。結果として,木柵の設置はバイオマス指数の増加に寄与するだけではなく,ネズミ類の利用頻度に正の影響を与え,木柵の構造自体がネズミ類にとって移動経路としての役割を有している可能性が示された。