鳥取県北条砂丘の北栄町に耕地防風林として植栽された広葉樹について,夏の高温と冬の季節風が与える影響を調査し,砂丘地における広葉樹の生存向上技術について検討した。砂丘地に植栽されたマサキ,トベラ,ネズミモチポット苗の生存状況,周辺環境について植栽後初めての夏季を経過した2024年9月と翌年3月に調査した。9月調査の樹種別の生存率はマサキ,トベラ,ネズミモチの順に約40,20,50%で生存している個体は健全であった。3月調査ではいずれの樹種も9月調査の生存率からほとんど変化しなかった一方,ネズミモチでは枝先枯れなどの軽度被害を生じていた個体が大きく増加した。マサキ,トベラは夏の高温,乾燥で枯死する個体が多いものの,夏季を乗り切った健全木は冬季の季節風の影響を受けても健全状態を維持できると考えられた。一方,ネズミモチは夏の高温下で生存できる個体の割合は他の2樹種より高いものの,季節風の影響を受け軽度被害を生じやすい樹種であった。いずれの樹種でもスプリンクラーからの水掛かりのある個体は生存個体数が多かったことから,農業用スプリンクラーの活用は生存率を向上させ,乾燥害防止に効果的だと考えられた。