抄録
野外に生育している大型の樹木 (クスノキとアラカシ) で飽和光合成速度の季節的変化を調べたところ, 夏の乾燥期に明らかな低下を示す個体が認められた。そこで, ポット植栽のクスノキ, アラカシの苗木を用いて水ストレスが光合成速度などに与える影響を調べた。土壌の水分張力が初期萎凋点を越えると, クスノキは日中の気孔開度が低下し, まず蒸散速度が低くくなり, その後, 光合成速度が徐々に低下した。一方, アラカシは, 水分張力が永久萎凋点を超えるまでは, 蒸散, 光合成活動は土壌の水分ストレスの影響をほとんど受けないで, 十分に水分のある状態と変わらない値を維持した。さらに, アラカシとクスノキでは吸水が完全に起こらなくなる土壌の水分張力に明らかな違いが認められた。