1999 年 25 巻 4 号 p. 333-338
京都市近郊の里山二次林を象徴する野生ツツジ類, コバノミツバツツジとモチツツジの直播き・ポット苗植栽・自生苗の移植を野生ツツジ群落の衰退しつつある二次林で行い, その初期成長を調べた。主な結果は以下のとおりである。1) 林外では厚層基材, 林内ではコケを播種基盤とし, 春の早い時期に播種すると播種数に対する実生成立比が高い。2) しかし, そのような条件でも実生成立比は15%以下であり, コケ培地では実生の成長は遅かった。3) 1年生苗の活着率は100%近くあり, 植栽後2年間は順調に成長した。4) 林外に移植された自生苗は特に当年生シュートの生産数が少なく, 移植元との環境の違いが活着を困難にしていると予想された。