本研究では福井県中池見の環境保全エリアにおいて, 畦畔表土を利用して施工された4タイプの法面施工 ((1) 切土面侵食防止ネット被覆 (2) 切土面ワラマルチング処理 (3) 表土混入厚層基材吹付施工 (4) 表土充填プロックエ) の違いがその後の植生回復に及ぼす影響を3ヶ月間追跡調査した。その結果全施工区を通じて多くの種が出現し, 施工1年目の帰化率が10%で低かったこと, 植生の回復には周辺に良好な種子源の存在が必要なこと, 土壌の乾湿度が植生回復に影響すること, 現地表土混入厚層基材吹付工や現地表土充填ブロックエが有効であるが今後検討すべき課題もあること, などを示した。