岩盤のり面緑化のために適切な立地区分を行い, 適当な樹種を抽出するため, 房総低山地に出現する軟岩のり面30ヶ所の植生調査を行い, 植生の成立条件と構成種の生活形態を多変量解析により明らかにした。数量化1類により植生成立条件を解析したところ, 日当たり, 地形, 斜面方位が植生の成立に大きな影響を与えていた。主成分分析により, 植物組成はのり面内ののり肩, のり腹, のり尻という微立地に強く規定され, 外部要因や遷移段階の影響は小さかった。また, クラスター分析により成立植物群落の生活型組成を解析したところ, 岩盤のり面ののり腹には低木で種子サイズが小さく, 葉のサイズは小型の樹種が適していると考えられた