2025 年 42 巻 2 号 p. 121-124
肘窩発生筋内脂肪腫5 例の神経麻痺について検討した.術前麻痺がある症例は3 例であった.そのうち明らかな麻痺が見られたのは1 例のみであり,1 例は脱力感,もう1 例は不全麻痺であった.術前麻痺が見られた3 例はいずれも回外筋内脂肪腫であり,麻痺が見られなかった2 例は円回内筋と腕橈骨筋の間に発生する脂肪腫であった.術後2 例で麻痺が増悪したが,経過とともに全例回復した.回外筋発生の脂肪腫は麻痺をきたしやすく,非特異的な所見を伴うことがあると考えられた.また,術後2 例で麻痺が増悪しており,切除する際には神経剥離操作をより愛護的に行う等の十分な配慮が必要になると考えられた.