2025 年 42 巻 2 号 p. 61-63
近年,手根管症候群の術中組織を用いたトランスサイレチン型アミロイドーシスのスクリーニングが注目されているが,ばね指に関する報告は少ない.本研究では,ばね指手術時に得られた靭帯性腱鞘におけるアミロイド沈着の有無を評価し,関連因子を検討した.2023 年11 月~2024 年10 月に当院で腱鞘切開術を施行した29 例31 指を対象とし,アミロイド沈着の有無をCongo red 染色およびDFS 染色で評価した.アミロイド陽性は9 例(31%)で,全例トランスサイレチン型アミロイドであった.単変量解析の結果,ばね指の治療歴,手根管症候群の手術歴,脊柱管狭窄症の治療歴が有意な関連因子であった.ばね指手術時の組織検査は,トランスサイレチン型アミロイドーシスのスクリーニングとして有用な可能性がある.