2025 年 42 巻 2 号 p. 68-73
橈骨遠位端骨折に対する掌側ロッキングプレート(PLP)固定では,橈骨遠位部の掌尺側縁の突出がPLP との適合性に影響を及ぼすことが知られている.特に男性ではこの突出が顕著であり,PLP と橈骨遠位部の不適合が問題となることがあるが,詳細な検討はなされていない.そこで本研究では,掌尺側縁の突出が大きい成人男性24 例(平均56.7 歳)を対象に,PLP の設置位置と整復位についてX 線およびCT 画像を用いて検討した.全例でPLP は骨折部を架橋するように設置され,1 例を除きPLP の浮き上がりは認めなかった.掌側皮質骨の不連続は3 例に認められ,術後のteardrop angle は健側と比較して有意に低下していたことから,遠位骨片がPLP の形状に適合する過程で背屈または背側転位した可能性が示唆された.しかしながら,遠位骨片の転位を回避するためにPLP を浮かせて設置することは,屈筋腱断裂のリスクから望ましくなく,現時点ではPLP 圧着に伴う転位をある程度許容せざるを得ないと考える.