2026 年 42 巻 4 号 p. 427-430
当科では骨軟部腫瘍の診療と手外科診療を同一班で行っている.また,近隣に骨軟部腫瘍を専門に行う施設がないため骨軟部腫瘍症例の疫学調査に適している.本研究の目的は,手術を施行した肘関節以遠の骨軟部腫瘍の症例を調査し,その特徴を明らかにすることである.2005 年1 月~2024 年2 月に当科で手術を施行した109 例(男性48 例,女性61 例,平均48±20 歳)を対象とした.骨腫瘍が23 例,軟部腫瘍が86 例で,そのうち転移性腫瘍を含む悪性腫瘍は4 例(3.7%)であった.肘関節または前腕の腫瘍が35 例,手関節または手掌・手背の腫瘍が30 例,手指の腫瘍が44 例であった.肘関節または前腕の軟部腫瘍では脂肪腫や神経鞘腫が多く,手指の骨腫瘍では内軟骨腫が多かった.手指の軟部腫瘍では腱滑膜巨細胞腫が多かった.良性腫瘍のうち2 例に再発を生じていた.多くが良性腫瘍であるが,まれに転移性骨腫瘍を含む悪性腫瘍や再発する症例があることに注意を要する.