2026 年 42 巻 5 号 p. 669-672
舟状骨近位部骨折・偽関節は骨癒合能が低く,難治性骨折である.関節鏡下手術は骨折部・偽関節部の状況を把握でき,症例によっては骨移植の追加や整復位の確認も可能であり,低侵襲に施行可能なため,利点が大きい.今回,舟状骨近位部骨折・偽関節に対して施行した鏡視下手術の治療成績を報告する.対象は骨折線が舟状骨突起より近位に及ぶ近位型症例20 例で,転位や嚢胞形成を認める新鮮骨折が3 例,偽関節例が17 例であった.偽関節例のうち,5 例は術前MRI にて近位骨片が低信号であった.骨癒合は全例で得られ,最終可動域,Mayo Wrist Score,DASH Score も良好であった.近位部であってもポータル位置を工夫し,転位例や,やや骨欠損を認める症例には骨折部を確認することで適切に対応できた.