2026 年 42 巻 5 号 p. 665-668
2019 年から2023 年に手根管開放術を受けた69 例82 手を対象とした.術前後で指尖つまみ力,横つまみ力,指尖つまみ力を横つまみ力で除した値(以下,つまみ力比)はそれぞれ,術前2.5±1.5kg,術後2.9±1.4kg,術前4.0±1.8kg,術後4.2±1.7kg,術前0.60±0.29,術後0.69±0.25 であり,指尖つまみ力とつまみ力比は有意に改善していた.DASH スコアは術前31±22,術後20±19 と有意に改善した.DASH スコア変化量を目的変数とした多変量解析では,低年齢,術前の指尖つまみ力が低いことがスコア改善の有意な因子であった.手をつく動作を控える程度以上のpillar pain が50%の症例に生じたが,術後1 年では2.4%まで減少した.ただし,手をついた際に痛みを感じる程度のpillar pain は術後1 年でも18.3%で残存しており,pillar pain が完全に消失しない症例も少なからずあることが示された.