日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
鎖骨骨幹部偽関節による胸郭出口症候群の3 例
中村 壮臣川野 健一原 由紀則星川 慎弥林 洸太田尻 康人
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2026 年 42 巻 5 号 p. 720-724

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抄録

鎖骨骨幹部偽関節に伴う胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome:TOS)は報告が少ない.過去20 年間に当院を受診した鎖骨骨幹部偽関節に起因するTOS の3 例について,その治療経験を報告する.いずれも他院から紹介された症例であり,患者は51 歳男性,55 歳男性,56 歳女性であった.過剰に増殖した仮骨や不安定な骨折部が,腕神経叢や鎖骨下動静脈を圧迫し,症状を呈していた.いずれの症例においても,手術により肋骨切除なしの仮骨除去および内固定を行うことで,異常感覚や筋力低下などの症状は比較的速やかに改善し,最終診察時には健側と同等となった.骨折部位と可動性の有無により,若干の異なる症状を呈していた.骨折の診断確定までに時間を要していた点や過去の偽関節の既往があった点は興味深い.鎖骨骨幹部骨折を保存的に加療する場合には,TOS 発症リスクについての十分な理解と慎重な経過観察が求められる.

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