2026 年 42 巻 5 号 p. 725-730
背側転位型橈骨遠位端骨折変形治癒に対して,Stellar 2 またはP を用いてcondylar stabilizing 法による楔状開大式矯正骨切り術を行った18 例の治療成績を調査した.正面像で関節面とプレート遠位端,側面像で関節面と遠位スクリューがなす角度が適切となるよう,遠位スクリュー孔を作製後に骨切りを行い,遠位スクリュー挿入後にプレート中枢部分を掌側皮質に密着させることにより整復した.骨切り部には,楔形の人工骨ブロックを16 例,仮骨を2 例で挿入した.術直後の単純X 線パラメータは術前より大きく改善し,最終調査時にはほとんど矯正損失なく全例癒合し,手関節可動域健側比は全方向平均89%以上,握力健側比は平均83%であった.抜釘時に長母指伸筋腱断裂に対する腱移行,尺骨突き上げ症候群に対するWafer 法がそれぞれ1 例で行われた.背側転位型変形治癒に対する矯正骨切り術では,角度固定型プレートを用いて関節面との位置関係が正しくなるように遠位スクリューを挿入すれば,背屈・橈屈変形はほぼ解剖学的に整復できる.