2026 年 42 巻 6 号 p. 962-967
橈骨遠位端骨折(DRF)後に生じる二次骨折は,Activities of Daily Living(ADL)やQuality of Life(QOL)の低下を来たし,本骨折後の二次骨折リスク評価と予防治療介入が重要である.転倒は二次骨折の主因であり,サルコペニアとの密接な関連が示唆されているため,DRF 患者の四肢筋肉量測定は二次骨折予防を行う上で必要な評価と思われる.本研究では,40 歳以上の女性DRF 患者152 例を対象に,患者背景,骨強度,筋力,運動能力などの二次骨折リスク因子を,四肢筋肉量低下の有無によって比較検討した.腰椎骨密度に有意差はなかったが,大腿骨近位部および大腿骨頚部骨密度は四肢筋肉量が低下したプレサルコペニア群で有意に低下していた.また,大腿四頭筋力もプレサルコペニア群で有意な低下を認めた.40 歳以上の女性DRF 患者で四肢筋肉量低下を認めれば,股関節周囲の骨密度および下肢筋力低下から,転倒や股関節骨折を来す可能性があるため注意が必要である.