抄録
本研究は、韓国の体育学会誌に掲載された論文から、三つの時期「第I時期 (1953年~1980年)、第II時期 (1981年~1988年)、第III時期 (1989年~1992年)」 に区分し、韓国の体育・スポーツの全般的な研究動向と体育・スポーツ社会学の研究動向を分析した。その結果、以下のように整理することができた。
1. 体育・スポーツに関する研究論文は、全般的に自然科学の論文が占めている (約60%)。特に、第II時期になってその比率が増加し、論文全体の62.2%を占めた。そして、体育・スポーツ社会学を除く人文・社会科学の論文は、第II時期では49編で、論文全体 (157編) の31.2%の比率であったが、第III時期ではその比率が35.7%となり、徐々に研究論文が増加する傾向がみられた。
また、体育・スポーツ社会学の論文は、第II時期では58編で、論文全体 (151編) の38.4%の比率であるが、第III時期ではその比率が29.8%となり、全般的に研究論文が減少する傾向がみられた。
2. 体育・スポーツ社会学の研究論文は、『体育・スポーツ・プレイと文化・社会の領域』と『体育・スポーツ・プレイの社会心理学的研究領域』が、論文全体 (151編) の58.7%を占め、研究論文の中心的な領域であった。しかし、第III時期からは、これらの研究領域の研究論文は減少し、『社会問題、婦人、老人の領域』が増加する傾向があった。