2020 年 62 巻 3 号 p. 229-237
本研究の目的は,中学校技術・家庭科技術分野内容「C.エネルギー変換の技術」に焦点を当て,生徒の問題発見・課題設定力を評価する枠組みを検討することである。問題発見・課題設定力の評価観点を文献等に基づいて設定し,エネルギー利用技術作品コンテストにおける2015~2017年の中学生受賞作品43作品と公立中学校2年生76名を対象とした調査を実施し,評価した。その結果,問題発見の評価の枠組みとして,「問題のタイプ」,「問題の範囲」,「ユーザ想定」の3観点,課題設定の評価の枠組みとして「目標の探索」,「アイデアの生成」,「行動の準備」など7観点で両者の違いが検出され,これらを評価の枠組みとして利用できる可能性が示唆された。