日本産業技術教育学会誌
Online ISSN : 2434-6101
技術リテラシーを育む中学校技術科内容D「情報の技術」における授業の実践と評価
大林 要介安藤 明伸梨本 雄太郎谷田 親彦上野 耕史
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2021 年 63 巻 2 号 p. 249-258

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抄録

科学技術の発展が飛躍的な現代においては,技術の「光」と「影」に焦点を当て,技術の評価・選択・意思決定ができるような能力,すなわち技術ガバナンス能力が国民一人一人に求められる。平成29年告示の学習指導要領では「社会の発展と技術」の学習において「技術を評価し,適切な選択と管理・運用の在り方や,新たな発想に基づく改良,応用について考える」学習が位置付けられ,より重要性を増している。このような中,既存の製品やシステムの開発過程を社会との関わりから捉える学習が行われつつあり,一定の成果が見られている。一方,既存の技術のみならず,既存の技術の開発と普及の過程を踏まえ,これからの普及が期待される技術の開発と普及の過程における役割と影響を評価し,選択,管理・運用,改良,応用の在り方を考える学習を展開することで,生徒が技術ガバナンス能力を働かせながら技術のイノベーションの視点へとつなげることができると考えられる。そこで本稿では,内容D「情報の技術」の学習に焦点を絞り,技術ガバナンスと技術イノベーションの視点から技術リテラシーを育む授業を実践し効果を検証した。宮城県内の学校で行った授業実践について生徒の自由記述を分析し,授業の成果と課題を明らかにした。

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