日本産業技術教育学会誌
Online ISSN : 2434-6101
ジャガイモの袋栽培における施肥試験結果を用いた課題設定および栽培計画学習教材の開発
鎌田 英一郎小八重 智史
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2022 年 64 巻 4 号 p. 321-330

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抄録

作物栽培において施肥は多収を実現させるために重要な技術であり,作物や栽培方法に応じて最適な量が設定されている。また施肥量は経済性や環境への負荷,労力といった観点から調節される。そこで本研究ではジャガイモの袋栽培においてNPKすべてを含む化成肥料と,N,P,Kそれぞれ単肥での栽培とを比較し,肥料成分の違いがジャガイモの生育および収量にどのような影響を及ぼすか明らかにするとともに,生徒が課題設定において技術の見方・考え方を働かせた育成環境の調節に資する教材となり得るか検討した。試験の結果,ジャガイモの袋栽培ではNを施用することで収量が増加し,PKも併せて施用することでさらに増収する傾向にあることが明らかとなった。また,施肥試験のデータを基にした教材は,NPKの肥効の理解とともに,経済性,環境負荷,品質・収量等の効率といった技術の見方・考え方を働かせた問題解決学習を可能とする教材となり得ると考えられた。

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