抄録
知的障害特別支援学校の小学部において,知的障害を伴う自閉スペクトラム症の児童を対象に自立活動の時間にグリコード(GLICODER)を用いたプログラミング教育を実践した。児童の実態を踏まえ,自立活動のねらいから目的を達成するために必要な手順を思考したり,自分の考えを整理して相手に伝えたり,相手の意図を理解して受容したりすることを目指した。プログラミング教育のねらいであるコンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力の育成を同時に図ることで,対象児は活動を達成するための指示を思考したり,自分の意見を友達に伝え,友達の意見を聞くことで意見を折衷したりする姿が見られた。