抄録
本研究では,各教科等横断的にプログラミング教育を小学校教師が実践するために,どのような知識・技能が必要で,さらにそれがどのように自信に繋がっているのかを把握することを目的とした。小学校教師がプログラミング教育を実践するために必要な知識・技能としてTPACK (Technological Pedagogical Content Knowledge)に着目し,小学校教師のプログラミング教育に関するTPACKの形成を支援した。TPACKの形成を支援した教師のうち12名がプログラミング教育を実践した。質問紙調査より,プログラミング教育実践前と実践後ではプログラミング教育に関するTPACKの平均値が有意に増加し,プログラミング教育のTPACKが形成されていることが確認された。さらに半構造化インタビューにより,各教科等横断的に実施されるプログラミング教育においては,これまで教師が培ってきた教科教育に関する知識が,授業設計にも生きることが示唆された。